日本を代表するリキュールである梅酒は梅の実を酒類と糖類に漬け、数ヶ月から長いものでは数年熟成させて成分を抽出します。家庭でも手軽につくれることから多くの人に親しまれています。飲酒形態から見ると薬用効果も併せもつリキュールとなります。
梅は中国を原産とするバラ科の高木植物で、紀元前2000年頃の中国の商書に「塩梅」と記載されているのが、文献上最古の記載と言われています。日本にはその原産地である中国の長江流域から弥生時代に渡来し、青梅を燻製にした烏梅が漢方薬として利用されていました。江戸時代には保存食や家庭薬として「梅」を利用するため各農家で梅が植えられており、収穫した「梅」はそのままでは食べることができないので、「梅干」や「梅酒」に加工して保存し、食されていたようです。元禄時代に書かれた「本朝食鑑」という文献に「梅酒」のつくりかたが記載されています。