ブランデーグラスを手のひらで包み込むようにして持つのは、手の体温が伝わってブランデーの芳香がたちのぼり、典雅な香りを楽しめるからですが、特に“こう飲まなければならない”という堅苦しいルールはありません。ストレート、オン・ザ・ロックス、水割り、ソーダ割りなど、お好みでお楽しみください。
ストレート ~STRAIGHT~
ブランデー本来の香り、味を楽しむならストレートで。スニフターと呼ばれる大きめのチューリップ型のグラスに ブランデーを注ぎ、グラスを手のひらで包み込むようにして持ち、軽く静かに回します。そしてまず目でその美しい色あいを観賞します。軽くゆすっているうちに手の体温が伝わって、ブランデーの芳香がたちのぼり、グラスの内側にたまってきます。鼻で典雅な香りを楽しみ、口に含んで豪奢でまろやかな味わいをかみしめましょう。
ニコラシカ ~NIKOLASCHKA~
ブランデーをストレートで味わう方法として、「ニコラシカ」というちょっと変わった飲みかたもあります。まず用意するものは、細長い足のついたリキュール・グラス。これに好みのブランデーを注ぎ、その上に砂糖をまぶしたレモンの輪切りを乗せます。そのレモンを二つ折りにしてかじりながら一緒にブランデーを飲むわけです。甘酸っぱい味覚が口の中をすっきりさせ、口直しの一杯などにぜひおすすめしたい飲みかたです。味わいをかみしめましょう。
水割り/ロック ~WITH WATER/ON THE ROCKS~
ブランデーだからといっていつも気取って飲む必要はありません。オン・ザ・ロックス、水割りでも、また違ったブランデーの表情が楽しめます。香りの世界を心ゆくまで楽しみたいという方には、氷を入れない水割りもおすすめ。 スニフターにブランデーと水を1対1程度の割合で入れ、くるくると回してください。ウイスキーの「トワイスアップ」と同じで、ストレートのとき以上に香りがたちのぼってくるはずです。 味わいをかみしめましょう。
ブランデー&ソーダ ~BRANDY & SODA~
英国ではソーダ割りでブランデーを楽しむことも、王侯貴族の、後には知識人のステイタスでした。また、トニックウォーターとの相性も抜群で、トニック割りもおすすめです。ソーダとトニックの両方で割った「ソニック割り」もお試しください。
ブランデー&コーヒー ~BRANDY & COFFEE~
ブランデーとコーヒーという組み合わせもかなりポピュラーです。有名なところでは、カフェロワイヤル。コーヒーにただブランデー数滴をたらすだけでもよいのですが、やはり角砂糖にブランデーをしみこませて火をつけるほうがドラマチックでしょう。 カフェロワイヤルにとてもよく似た飲みかたで、ドイツに「リューデスハイマーカフェ」というのがあります。これは、まず温めたコーヒーカップに角砂糖を3個入れ、ブランデーをたっぷり加えます。次にブランデーに火を付けかき混ぜて、少なくとも1分間は燃やしておく。その後カップのふちから2、3センチくらいのところまで熱いコーヒーを注ぎ、再びかき混ぜます。そのコーヒーの表面にバニラエッセンスを加えたホイップクリームをかけ、すりおろしたチョコレートをふりかければできあがりです。 味わいをかみしめましょう。
ホットブランデー ~HOT BRANDY~
あらかじめ温めておいたホットグラスにブランデーを注ぎ、お湯を満たします。温められたブランデーは、温めるほど香りが強くなり、ますます華やかさが増します。
香りのないお酒をホットカクテルに使うと、アルコールの匂いだけが鼻につきます。またどうしても温めたお酒の匂いが気になる人には、お好みでコリアンダーやナツメグといった香りの強いスパイスを振りかければ、匂いが気にならなくなります。